どの新聞よりも中立な()米朝首脳会談の結果考察。

どの新聞よりも中立な()米朝首脳会談の結果考察。

まさかの物別れに終わった米朝首脳会談。日本でもドカンドカンとすごい量の報道の量でしたね。

でもその報道の中身といえば、やれ金正恩が電車を乗ってきただの、タバコを吸っていただの。なかなか本質とはかけ離れているものです。

なんとかこの米朝首脳会談の流れをわかりやすく説明できないものかと思い、この記事を書きます。2回目の首脳会談までの流れを国際関係の流れと絡めながら解説していこうと思います。よろしくお願いします。

米中の間で北朝鮮はコソコソと

北朝鮮は長らく中国とロシア(ソ連)との間での天秤外交を行ってきました。大国の中でバランスを取りながら、貿易をしてなんとか生き残ってきたのです

しかし、今回の米朝交渉までの流れを見るに、天秤をかける対象はアメリカと中国に完全に変わってきたようです。

世界の覇権争いは本格的に中国とアメリカにシフトしています。そのアメリカと中国の緩衝地帯になっているのが北朝鮮。北朝鮮にとってみれば、アメリカと中国の間で生きていく必要があります。

同時にアメリカと中国も北朝鮮の存在は大切です。アメリカとの貿易戦争で苦しい習近平と国内向けの実績が欲しいトランプ。どちらも北朝鮮を抱え込みたいと思っているからです。

トランプは来年の大統領選への実績づくり。習近平は北朝鮮を抱え込みアメリカの盾として使いたい。大国の間で瀬戸際外交を行い、生き残ってきた北朝鮮ですから、今回もその立場はよくわかっているはずです。

自分の果実をどちらにどれくらい取らせるのか。金正恩は思案にふけります。

彼が今回の米朝首脳会談で出そうとした結論は、アメリカの実績づくりのお手伝いというものでした。しかし、トランプはそれに乗ってこなかった。ここが誤算です。トランプは北朝鮮への安易な譲歩を嫌うアメリカ世論とポンペイオ国務長官の説得に屈服しました。その結果、金正恩は歴史的にも稀な「ディール大統領」の行動予測を間違えてしまったのです。 

アメリカか中国か。それとも日本か。

北朝鮮は自分自身が相当厳しい状態にいるにも関わらず、その運命を大国間のバランスに委ねるしかありません。ここに独裁国家、閉鎖国家としての苦しさがあります。北朝鮮は米中関係の中で生き残りを図っていこうとするでしょう。もしそれがあまりに苦しい営みであるなら、次の目線は日本です。 

しかし、誤算があったからといって交渉をやめるわけにはいきません。アメリカによる最大限の圧力が確実に北朝鮮の国内事情を蝕んでいるからです。今後の交渉に期待感を示した論調が労働新聞に出たのはその証左でしょう。

日本に対して交渉の門を開いた2002年。北朝鮮はソ連崩壊後のロシアとの関係が薄くなったことで経済的に相当厳しい状態にありました。そこで拉致と経済支援をディールしようとしたのです。今回の状況も2002年に似ている。

非核化へのロードマップが示されなかったために、日本にとって米朝交渉の結果は悲観的すべき内容であるとする人がいます。しかし、米朝交渉の不調が北朝鮮の焦りを招いたという点では日本に対して北朝鮮が交渉を持ちかけてくる可能性は十分にあります。

すでに日本国内では北朝鮮との交渉に際して「拉致問題の完全解決」という世論が完全に出来上がっている以上、安倍首相もその世論に必ず配慮します。世論が政治家を動かすという米朝交渉での経験を得た金正恩委員長が日朝が交渉する場合にどのようなスタンスをとるのか。とても興味深いです。