EUの基本と主要な機関をまとめました

EUの基本と主要な機関をまとめました

 EU と国際条約

 EU は国際条約に基づく機関です。最新の条約は2009年12月1日に発効したリスボン条約です。リスボン条約は二つの条約から成り立っていて一つ目が EU 条約で二つ目が EU 機能条約です。これらの条約は EU の機能とか制度などEUの仕組みについて定めています。

 EU の目的

 EUの最初の目的は市場統合でした。経済面で協力をしていきましょうというのが各国が協力を進める最初の目的でした。

しかし、その後様々な政策面でもいろいろな協力関係がが生まれていくことになります。

EUの3本の柱

EUは大きく分けると3つの柱から成り立っています。

一つ目が経済活動の自由化です。これはそもそもEUが統合に至る大きな目的でした。経済活動の自由化が進むとそれに伴って社会政策や環境政策、消費者保護政策などの再規制も必要になりました。

こうして経済活動の自由化に伴って市場が統合されていくと、必然的に通貨を統合する機運が高まりました。こうして生まれたのが共通通貨のユーロです。

市場統合が進むとヨーロッパの中で域内市場が完成します。域内市場が完成するとEU外との取引を行う必要が出てきます。外国との関係を構築するためにEUは共通の通商政策を形成します。こうしてEU は一つの主体としての性格を強めるようになります。政治や外交で強い結びつきをするように共通外交安全保障政策を形成するに至りました。

EUの主要機関

 EU の主要機関には主に三つあって、一つ目が欧州理事会、 二つ目がEU理事会、三つ目が欧州委員会です。順番に説明していきます。

欧州理事会

欧州理事会は政治レベルの最高協議機関です。 EU加盟国首脳や欧州理事会議長および欧州委員会委員長からなります。EUの発展に必要な原動力を与え、 一般的な政治指針を策定します。のちに紹介するEU理事会では合意できない複雑な問題を決定する機関となっています。

欧州理事会の常任議長は「 EU大統領」とも称されます。常任議長は欧州理事会メンバーの特定多数決方式による投票で選出されます。任期は2年半で再選は一回のみ可能です。

現職の常任議長はトゥスク前ポーランド首相ですが、 7月3日にはベルギーのシャルル・ミシェル首相がその後任に就くことがわかりました。

EU閣僚理事会

EU閣僚理事会はEU 加盟国の閣僚級代表により構成されるEUの主な決定機関です。総務理事会や外務理事会、経済財政理事会などからなります。分野ごとに招集、開催され、各会合には各加盟国から閣僚が1名ずつ出席します。議長は外部理事会を除き半年交代の輪番制で、 議長国の閣僚が務めることになっています。

決定方式は全会一致と特定多数決があります。全会一致方式を取る場合は、重要事項の決定がなされることが多くなっています。税制や基本条約の改正、新しい共通政策の導入、新規加盟国の承認などがその例です。特定多数決の場合は全会一致の条件に当てはまらない事由を採決する場合に用いられます。

2014年11月1日以降は二重多数決制という採択方式も導入され、加盟国の55%以上の賛成かつ賛成国人口の合計が全人口の65%以上の場合賛成多数とみなされます。

欧州委員会

欧州委員会は EU の執行機関のことを言います。「閣僚」に相当する各加盟国から1名ずつ任命された欧州委員で構成されます。その任期は5年間です。省庁に相当する各分野の総局が設置されており法案を提案、 EU 基本条約等に従って作成された諸規則を適用し EU の適用の監督を行います。

欧州委員会は対外的に EUを代表します。これは共通外交安全保障政策の分野やその他基本条約に規定する場合を除きます。欧州委員会の委員長の現職はユンカールクセンブルク首相ですが、 7月には後任としてドイツの国防大臣であるフォンデアライエン氏が就任することが発表されました。 

欧州議会

欧州議会は諮問共同決定機関としての性格を持ちます。 EU市民を代表する機関で法令を制定する権限は先ほど述べた EU 理事会と共有します。これによって特定分野の立法におけるEU 理事会との共同決定権や EU 予算の承認権、新任欧州委員の承認権などを有します。

欧州議会の選挙は5年に1回の直接普通選挙です。加盟国の人口比に応じて、加盟国別の議員数が決定され、その任期は5年です。本会議はフランスのストラスブールで開催され、その他の会議はベルギーのブリュッセルで行われます。現在の欧州議会議長はイタリア出身のタヤーニ氏。 2019年7月には後任に同じイタリア出身のサッソリ氏が内定しました。

欧州対外行動庁

欧州対外行動庁はEUの共通安全保障政策を実行するための省庁です。欧州対外行動庁のトップは外務・安全保障政策上級代表というポストです。このポストは欧州委員会副委員長を兼任することになっています。現職はイタリア出身のモゲリーニ氏です。

ここまでをまとめると欧州理事会は EU 全体の方向性や重要課題の決定を行います EU 理事会は実際に政策を決定したり法律を制定したりします欧州議会は EU 理事会と立方及び予算に関する責任を共有しています欧州委員会は法案を発議するしたる行政機関としての性格を持っています。