align="center"

【1日目①】旅の開幕【サンフランシスコ詐欺】

【1日目①】旅の開幕【サンフランシスコ詐欺】

開幕

第1日目 

現地時間 7月29日 

 

機内に乗り込んでから、全ての通信機器の電源を切るか機内モードにしてくださいと言われるまでのわずかな時間に僕はメールを打った。

「飛行機は定刻に飛びそうです。お会いできることを楽しみにしています。現地に着いたらまたご連絡します。」

ユナイテッド航空876便は東京国際空港(羽田空港)から定刻より2分早く、サンフランシスコ国際空港へ飛び立った。これから約10時間の空の旅である。

 

旅の始まりはソワソワする。

 

 

その「ソワソワ」はきっと期待と不安と、いくばくかの緊張が混じり合ってできている。

 

僕はソワソワを抱え、これからサンフランシスコへとりあえず向かう。

宣言

「夏休み、サンフランシスコでホームステイしてくるんだ」

そう聞けば、誰もが、「わあ。おしゃれだね」といってくれる。

6月の半ば、大学生の夏休みの予定が決まりはじめる頃のことである。

その言葉に僕は気をよくして、「サンフランシスコ」「ホームステイ」を連発していた。

今更ながら、僕の単細胞ぶりが発揮されているなあと回想するものだ。

詐欺

さて、「サンフランシスコ」と聞いて皆さんは何を思い浮かべるのだろうか。

ランドマークの「ゴールデンゲートブリッジ」。市内を走る路面電車。新鮮なシーフード。様々な民族が交わる異国情緒溢れる町並み。

こんなところだろうか。

しかし、僕が今回ホームステイするところに、そのようなものは

 

 

ない。

 

 

 

はあ? それなら詐欺やんけ。

何が「サンフランシスコ」や。ちゃうやんけ。

これは立派な犯罪やね。「サンフランシスコ詐欺」やね。

耳が痛い。鼓膜が破れる音がした。

弁明

言い訳をさせてほしい。

なぜかサンフランシスコは日本人に圧倒的な知名度を誇っている。

だから説明をわかりやすくするために「サンフランシスコ」というレッテルを使った。許してほしい。

(実はアメリカ国内でのサンフランシスコの立ち位置は日本人が考えるほどそんなでもない。まあ中規模ぐらいの都市かなという感じなのである。)

謝罪

僕は今回ホームステイをするのは、カリフォルニア州エルドラド郡。

空港こそサンフランシスコ国際空港を利用するが、空港からは車で3時間かかる。

もはやそこは「サンフランシスコ」ではない。ここにお詫びして訂正する。

 

どーもさーせんした。

 

さて、立派な謝罪会見が終わったところで、なぜこのエルドラド郡でホームステイをすることになったのかの経緯を少し述べよう。

僕の生まれ故郷がエルドラド郡と姉妹都市関係にある。

そんでもって、中学生2年生の頃、両都市が開催したプログラムに参加して、エルドラドを友人たちと10日間ほど訪問していた。その時の「コネ」が今でもあって、今回、再び訪問する機会を得ることができたというわけ。

前回、訪れたのは14歳の時。それから7年が経った。もう一度、同じ土地を訪問することで、7年前の自分とどう感じ方が変わったのかを比較できたら面白いじゃないか。語学力も当時よりは上がっている。よっしゃ。もう一回行ったろ!!

とまあこんな感じである。

恐怖

フライトの話に戻ろう。

ユナイテッド航空を利用するのはもちろんのこと、外国の航空会社を使うのは初めてなので、どんなもんなのかなーとアホヅラをひっさげて機内に乗り込む。

日本とはしばしのお別れだ。

乗客の内訳は日本人と外国人が半分づつくらいといった感じ。

客室乗務員の内訳も半分ずつぐらい。日本線だから、客室乗務員にも日本人は多めなのだろう。

3人がけシートの通路側に座る。

約10時間という長時間のフライトになるので、通路側の座席なのは右足が通路側に伸ばせてラッキー。でも座ったまま寝ないといけないのはエコノミークラス民、みんな平等だ。

離陸した後、水平飛行になるまで、やたら揺れる。左右、上下。ガクンガクン。

あわあわとしたくなる。というか、あわあわしている。

客室乗務員のおばちゃんが少しおどけた顔をしたので、慣れている人にとっても、結構揺れているということなのだろう。

やたら揺れた後、機長からのアナウンスが入って、どきっ。

めちゃくちゃ揺れてるし、墜落?

 

ああ。神よ。僕は普段はあなたを信じていないが、こういう時だけは我を助けたまへ。

機長がまず英語でアナウンスした後、客室乗務員が日本語で同内容のアナウンスを繰り返す。

機長の英語が「速い&速い」

トップスピードでまくし立てるのでよく聞こえない。余計不安が掻き立てられる。

「まあ大丈夫でしょ」とどっしり構えられるほど、まだ飛行機には慣れていない。

安心

「ちょい揺れるけど、気にせんといてー。もうちょっとたったら、ご飯出すからさ☆」

ふうううううう。心臓が米粒ぐらいの大きさまで縮み上がったが、げんこつの大きさまで戻ってきた。僕はイヤホンを耳に突っ込んだ。

通路を挟んだ隣にはインド人と思しき、家族が座っている。旦那さんと奥さんと、そして赤ちゃん。この赤ちゃんがおもろいのだ。

とにかく目がくりくりしている。

というより、グリグリしている。

そしてやたら僕の方を見てくる。「インド人ってのは人のことをガン見する習慣があるらしい」といつか聞いたことがある。

このグリグリ目ん玉の赤ちゃんもまさしく、その習慣がしっかり身についている。

素晴らしい。

でも僕自体もその赤ちゃんのことをグリグリよくみるので、僕もインド人なのかもしれない。

そんなことを考えていたら、いつのまにか眠っていた。

再開

目をさますと、飛行機は日付変更線をはるかに飛び越え、機体の先端がモニター上では北米大陸にかかりそうなところまで来ていた。(もちろん縮尺の都合なのだけれど)

あと、到着まで2時間程度である。

補足までに言っておくと、2回食事が出た。

1回目は離陸後1時間ぐらい経ってから。

2回目は到着1時間30分前ぐらい。

飲み物もアイスクリームも適宜出してくれて、不満はないです。あざした!!

徐々に機体が降下する。通路側で景色が楽しめないのが残念。

それでも意地で首を伸ばしていると、米粒ほどの車が右車線を走っているのが見えた。

サンフランシスコは霧の街。その霧の間をすり抜けて、僕はランディングした。

ユナイテッド航空876便は定刻通りサンフランシスコ国際空港に到着。

アメリカと7年ぶりの再開である。

 

1日目 Part2はこちら→【1日目】トランプを支持するホストの心境はいかに!?