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【2日目②】アメリカの病院で治療を受けた【英弱】

【2日目②】アメリカの病院で治療を受けた【英弱】

Part1を読んでいない方は、まずPart1をお読みください。

【2日目①】アメリカで交通事故&救急車に乗車【危機一髪】

第二日目 現地時間7月30日 

@カリフォルニア州 エルドラド郡のどこかの病院

憂鬱

ため息をつきながらアメリカの病院に入る。アドレナリンが切れれば、体中が痛くなるんだろうなと思うと憂鬱になってくる。しかもここはアメリカだ。英語で病状なんて伝えられるのだろうか。やはり憂鬱である。事故の後は不自然にハイテンションかつ冷静だった。ここにきて、気分が揺り戻されている。

僕は英語がペラペラではない。じゃあなんでアメリカでホームステイしとるんじゃというツッコミが飛んでくる。

僕はそのツッコミを真正面で受け止めながら、「若気の至り」という名の「刀」でそのツッコミを成敗したいと思う。

戯言はこれまでじゃ。

放置

病院は新しく、特に日本との違いは感じない。ベットに寝かされ、放置される。この放置のおかげでぼくは自分の怪我の具合がひどくないことをあらためて知る。真っ白な天井をベットの上から眺めながら、狐に包まれた気分で自分の状況を客観視しようと試みていた。

客観視すると、とってもおかしな状況にいるということがわかった。

アメリカで事故にあった。僕は英弱だ。今から異国の病院で治療を受ける。

ほほう。これはおそらくぼくは前世で悪いことをしたのだろう。

こんな経験なかなかできないぞおと一瞬思ったが、こんな経験しなくていいやんけと思い直す。そして憂鬱になる。

中肉中背の女医がやってきた。丁寧に診察をしてくれるが、僕は彼女の英語を聞き取れない。ああ、恐れていた事態だ。

事案

外国で治療を行うとき、意思疎通がとれないことはだいぶ致命的だ。とんでもない医療事故が起きてしまう可能性だってある。アレルギーが伝えることができなかったり、常備薬は何をつかっているのかだったり、既往歴はあるのか… などなど。

これらを正確に英語で伝えなければいけない。問診にも正確に答える必要がある。

これは新たな修羅場だ。

あああああああああああ。

生き残ったから!!!この体験は日本に帰ったら絶っっっっ対にネタにしてやるんだ!!!! 覚悟して待ってろよ!!!!!

だいぶ情緒不安定である。

と、と思ったら、通訳の人を電話越しにつないでもらうことができた。これは僕が通訳をつないでくださいとお願いできたからだ。これさえできなかったら、本当に命に関わる誤解が発生してもおかしくはない。

みんな英語勉強しようね。緊急事態で一番役立つから。

問診

シートベルトはしていた?

いえす。

シートベルトに関しては何回か聞かれた。それほど大事なのかなと。

破傷風の注射はした?

あいどんとりめんばー。

覚えていない。結局、破傷風の注射を打ってもらうことにした。せっかく生き残ったのに破傷風でお陀仏なんて絶対に嫌だ。

というか、「破傷風」なんて単語知らない。本当に通訳の人がいてくれてよかった。

レントゲンを取り、放置される時間が続く。例の女医が来た。

入院は必要?と僕。

のー。あいどんとてぃんくそー

よかった。。。入院は必要ないなら、今日のうちに帰れる。

自分の注射の状況、アレルギー、常備薬など

こんなものを確認しておくとよいよ。英語で説明できたらなおよい。

僕はできなかったからね。先人からの教訓である。

紛失

ふと天井を眺めながら冷静になってみると、急に医療費のことが気になった。アメリカの医療費はとっても高いと聞いていたからだ。

救急車+レントゲン+破傷風注射   のトリプルコンボである。

高額医療費の恐怖におののく。でも、保険があるもんね。一応、ググって補償内容を確認しておこうっと、スマホをとりだそうとポケットに手を突っ込む。

スマホが

ない

ポケットに入れてたのに

ない

ない

はあああああああああああああああ。

事故の衝撃でどこかへ飛んで行ったのか。

事故現場に置きっぱなし?

それとも車の中?

警察に回収された?

いずれにせよめんどくさいことになった。

もおおおおおおおおおおおおおおお

わけわからん。

遠い異国の地で、健全な英弱の21歳の青年にこんなひどい仕打ちなんてできる?普通?

そんなんできひんやん普通。

そんなことできるならいっといてーや。

僕の修羅の道に新たな火種が投下された。

再会

消沈していると例の女医が再登場。なにやらカップを持っている。

カップを渡してくる。渡しながら、口を開く。

「zksfの五あhfdsンdkzン土井」

うん?

「だからあ、fkdン沿いHファイオエ」

ほうほう。もう少しゆっくりしゃべってみようか。てか通訳はどこいったん?

「ンdjs眉宇dフあ…kidney….dンヴぉjdの案d」

kidney……kidney….

「腎臓」だ。ピカーン。テンサイ。

検尿

検尿をしろと。腎臓がやばくないか調べろと。このバカでかいカップは検尿ビンだったのね。

いや、検尿なんて単語知らんやん。普通。どこぞの変態が辞書で「検尿」なんて調べようと思うのだろうか。甚だ不可解である。

ちなみに検尿は英語で「urine analysis」というらしい。しいらねええよ。

治療も終わり、アメリカの病院の診断書をもらった。

診断書には

「このたびは当病院をご利用いただきましてありがとうございます…..」

ってさすがアメリカ。どこにでも市場原理が働いている。

船出

それにしてもひどい旅の船出である。あと10日ある。

正直、事故のせいで車に乗りたくない。でもここはアメリカ。車に乗らないということはひきこもりニート生活まっしぐらだ。これは参った。我慢しながら車に乗らないといけない。

ジーンと帰り道で食べたマックのハンバーガーはとてつもなく不味かった。事故現場に立ち寄って携帯を探したが、ない。

アドレナリンが切れてきた。

とても疲れた。本当に疲れた。ああ。疲れたなああ。気をだいぶ張っていたのだろう。

「帰りたい」

そういった思いが湧き出てくる。「意気地なし」と僕は自分自身を責めることは

できなかった。