EUの排他的権限と共通通商政策についてわかりやすく解説します

EUの排他的権限と共通通商政策についてわかりやすく解説します

EUの排他的権限とは何か

EUの排他的権限とはmEU だけが国際協定を結んだり立法を行うことができる権限のことです。

その該当分野としては、関税同盟、域内市場の機能に必要な競争法規範の制定、ユーロ圏の国々のための金融通貨政策、共通漁業政策に基づく海洋生物資源の保護、共通通商政策、一定の国際協定の締結があります。

EUの共通通商政策

EUの共通通商政策とは欧州経済共同体に加盟国が初めて排他的権限を与えた政策分野の一つです。1973年1月1日から共通通商政策に関してECに単独の権限が認められました。排他的権限に関する判例を一つご紹介しましょう。2002年の11月5日に出されたオープンスカイ判決です。

これによってEUにとっての共同体海外航空政策の始まりが意味され加盟国による米国との二国間協定の破棄、EUによる航空分野での排他的権限が確立された 画期的な判例となりました。 

共通通商政策の目的

EU の共通通商政策の目的は EU 機能条約第206条に明記されています。それによれば、「共通の利益の下、EUは世界貿易の調和のとれた発展国際貿易と外国直接投資における制限の全身的撤廃及び関税その他の障壁の引き下げに貢献する」ことが明記されています。この EU の通商政策の法的根拠は欧州共同体設立条約の第133条に書いてありますのでぜひ参考にしてみてください

 EU の通商政策が含む領域は、WTO 世界貿易機関が扱う領域と同じです。例えば商品貿易、サービス貿易、知的財産権などです。

欧州委員会は委員会特別委員会加盟国の代理で交渉にあたります。133条委員会は EU の加盟国および欧州委員会の代表で構成される委員会です。

EU共通通商政策の特徴は共通通商政策に加えて開発政策が加えられていることです。通商問題と人権問題を並行的に考えているのです。例えば2012年4月にミャンマーの民主化を認め、EUは経済的制裁を一時停止した例があります。 EUとしては民主化が達成されたことを高く評価したのです。EUの通商政策は単に貿易と投資の自由化が目的ではなくより広範な目的を持つのです。

2006年10月新通商政策・グローバルヨーロッパが発表されました。この背景には WTO によるドーハラウンドの失敗や新興国経済の活力を EU に取り込むために STA を推進したい狙いがありました。実際、グローバルヨーロッパ戦略はFTA を利用した新興市場の開拓によるEUの競争力を強化することが目的でした。

EU が結んでいる主な通商協定

日本について。2011年5月28日、日本と EU による共同声明が発表され、関税・非関税措置、サービス知的財産権競争及び公共調達を含む双方の関心事項を扱うFTA・EPAの交渉のためのプロセスを開始することを発表しました。

より具体的には関税貿易の技術的障壁公共入札へのアクセスサービス貿易投資競争に関するルール衛星と植物防疫のための措置規制協力地理的表示を含む知的財産の透明性と保護などが交渉内容として取り扱われました。2017年7月には大筋で合意し、12月には交渉が妥結、2019年2月日- EU の EPA が発行されました。

EUは中国との交渉もおこなっています。2012年2月 EU 中国首脳会議で交渉への関心が示されると、2013年10月、投資協定締結に向けた交渉に入ることが EU 内で承認されました。他にも、カナダやインド、南部地中海、中東地域、メルコスールなどと交渉を行っています。交渉の進展具合は各地域や各組ごとに異なりますが、様々な国々と二国間地域間経済の強化を図りたい意図がわかります。