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【リアリズム】日本はオーストリアと同じ運命?

【リアリズム】日本はオーストリアと同じ運命?

「西洋外交史」という授業

「西洋外交史」という授業を履修しています。面白い先生です。その先生は東アジア世界における現在の日本の立場を憂慮されているのです。なぜでしょうか。

先生は「リアリズム」の立場を取っているからです。

ちょっと、リアリズムって何よ。という方のために、少し解説します。

「リアリズム」

リアリズムは国際政治の中で、国家と国家は「パワー」を持って闘争し合うという考え方です。ここでいう「パワー」とは「軍事力」と考えてもらって大丈夫です。

すなわち、国際政治の中で重要なのは「軍事力」であり、大きな「軍事力」を持っていれば、国際政治の中で有利な立場にいることができる。そういう考え方です。

本当にざっくりした説明ですが…  さてタイトルを再びご覧ください。

【リアリズム】日本はオーストリアと同じ運命を辿るのか?

次に解説するのは「オーストリアの運命」にいたしましょう。

「オーストリア」は今では小さな内陸国ですが、今から300年前まではヨーロッパでも有数の帝国でありました。

そのオーストリア帝国の皇帝は主に「ハプスブルク家」という一族から出ていました。

このハプスブルク家。まさしく「華麗なる一族」です。なぜこんなにも栄えていたのでしょうか?

それは「ハプスブルク家」はオーストリアに止まらず、ヨーロッパのいたるところに、一家の娘たちを嫁がせる「婚姻政策」を取っていたからです。1750年ごろのことです。ヨーロッパは「ハプスブルク支配」と言ってもおかしくない状況になっていたのです。

 

「戦争は他家に任せておけ。幸いなオーストリアよ、汝は結婚せよ」

(Wikipediaより引用)

上の言葉がハプスブルク家の方針を如実に示しています。「戦争」=「軍事力」はどうでもいいから、「結婚政策」を進めることで勢力を拡大させていこうという方針なわけです。

しかし、フランス革命が「オーストリア」に暗雲を垂れ込めさせることになるのです。

フランス革命とナポレオン

1798年のフランス革命。そしてナポレオンが登場します。

フランス革命の精神をヨーロッパに! ナポレオンはフランス革命の精神を掲げ、ヨーロッパにそれをもたらそうと、各地に侵攻します。

そして、ハプスブルク家が大きな力を持っていた「神聖ローマ帝国」をナポレオンは解体させることになります。ハプスブルク家の衰退が始まっていたのです。

オーストリア本体はなんとかナポレオンの食指を逃れ、ナポレオンは失脚します。

そこからは極めて有能な外相・宰相「メッテルニヒ」の元、オーストリアは安定を取り戻したはずでした。

しかし、当時のオーストリアの隣国・プロイセン(ドイツ)は「軍事力」を徹底的に鍛えていました。ビスマルクの鉄血政策のもと、軍事力を強大化させたのです。

そのプロイセンとは対照的に、軍事力はどうでもよくて、戦争はしませんと言っていたオーストリア。「結婚」がオーストリアにとっては命でした。

「リアリズム」の観点から言えば、オーストリアはプロイセンの圧力に屈することは当然のことです。「オーストリア」とドイツの間には大きな軍事力の差があったのです。国際政治の場で「オーストリア」が存在感を失っていったのは自然の流れでした。

1866年のプロイセン=オーストリア戦争でオーストリアは破れ、勢力を後退させることになりました。

栄華を誇ったオーストリアも、外からの圧力に屈し、領土を失います。これ以後、オーストリアは国際政治のキープレイヤーになることはありませんでした。

現在の日本の状況はオーストリアに通じる

さて、現在の日本をとりまく状況はどのようなものでしょうか?

中国は今や日本の5倍の軍事費。朝鮮半島は融和が進む。トランプ率いるアメリカは東アジアでのプレゼンスを低下させようとしている。

もし、在韓米軍がいなくなれば、中国と対抗する最前線は日本ということになります。

中国は膨張政策を取っていることは明らかです。中国が圧倒的な軍事・経済的な力を持って、東アジア世界に君臨することになると…?

にわかには信じがたいかもしれませんが「リアリズム」の観点からいうと、中国は近未来的に東アジア世界という国際政治の舞台で大きな地位を締めることになります。それは、日本が軍事力を持てないからです。

そして、日本は東アジア世界での地位を低下させることになります。

この中国と日本の関係はかつてのプロイセン(ドイツ)とオーストリアの関係に似ています。とても優雅で貴族的だった「オーストリア」は結婚政策をとり、軍事力を取らなかった。そのオーストリアのように日本も軍事力を捨てています。

そうして、強大な軍事力を持っている隣国・中国に日本は「飲み込まれる」ということになります。

歴史は繰り返す。日本もまた「リアリズム」の観点からは東アジア、そして、世界でのプレゼンスを低下させていくことになるのではないか。そんな危険性があるというわけです。

リアリズムという観点からすれば、今の日本は中国というプレイヤーに支配され、国際政治での存在感を失っていくのではないか。かつてのオーストリアと同じように。というわけです。

この内容は概ね、授業で先生がしゃべっていた内容を改変したものです。私は別に軍事力を増強せよということをお伝えしたかったわけではありません。

お伝えしたかったのは

①歴史は繰り返し、歴史を学ぶことは今の分析につながるということ

②国際政治を分析にするにあたり「リアリズム」という考え方があるということ

です。ここまで読んでくださりありがとうございました。