第三回 戦後の日本政治をわかりやすく解説!【選挙制度改革から小泉政権まで】

第三回 戦後の日本政治をわかりやすく解説!【選挙制度改革から小泉政権まで】

政治制度改革と選挙制度改革 

1990年代は日本政治にとって改革の10年でした。バブル経済の崩壊によって、多くの金融機関で「不良債権」が問題になったのです。同時に政治の世界も改革が要請され、細川内閣での選挙制度改革、橋本内閣での六大改革が達成されます。

選挙制度改革では、政治改革四法案と小選挙区比例代表制が導入されます。小選挙区の導入は二大政党制を促進し、政党内で執行部の権力が増大することになります。

行政改革で特筆すべきは中央省庁の再編です。政治主導を可能にするため、内閣府権限の強化が図られたのです。

小泉政権

2001年4月、小泉純一郎は森喜朗の後任を決めるための自民党総裁選で勝利した。「自民党をぶっ壊す」をスローガンに大方の予想を裏切る形で総裁、首相に就任したのです。参院選にも勝利し、長期政権を築く下地を作りました。

小泉自身は「変人」との評価とは相反し、自民党の王道を歩んできた政治家です。その小泉の首相としての政治手法に関して確認してみよう。小泉は自らの政権運営において、「抵抗勢力」との戦いにフォーカスします。

自民党総裁の立場から、自民党を、中でも橋本派を攻撃します。橋本派が持つ既得権益を打破する姿勢をみせ、国民から大きな支持を得ました。自民党の内部を攻撃する一方で、小泉は参議院自民党を重要視します。参議院には首相の専売特許である解散権が及びません。だからこそ、参議院自民党をしっかりまとめることで、政権運営を安定的なものにしていたのです。

小泉は強化された首相権力もフル活用しました。閣僚人事では派閥からの推薦を受けず、その一方で一貫して竹中平蔵を重要ポストに置くなど、独自の人事を展開したのです。

政策立案に関しても、権限が強化された内閣府を活用します。内閣府設置の「経済財政諮問会議」で首相のトップダウン型の予算編成や政策の基本方針を決定します。いわゆる「骨太」の方針が出されたのも、小泉時代の経済財政諮問会議が始まりになっています。

小泉を語る上で欠かせないのは「郵政民営化」である。郵政民営化は小泉の肝入り政策で、首相のトップダウン方式での立案がなされたものです。内閣官房によって準備された「郵政民営化法案」は2005年4月に国会に提出され、衆議院は通過するも、参議院では自民党議員の造反もあり、一度は否決されます。そこで小泉は「郵政選挙」として、衆議院を解散し、圧勝します。郵政選挙では自民党の党内抗争の様相を呈し、結果は小泉自民党の圧勝。郵政民営化はその後の国会で成立しました。

ねじれ国会

2007年の参議院選挙で安倍自民党が破れると、国会は「ねじれ国会」状態になりました。民主党が小泉政権の構造改革への国民の不満をすくい取りました。

小沢一郎率いる民主党は「国民の生活が第一」を掲げ、選挙戦を戦います。安倍政権は選挙戦を「美しい国・日本」を掲げるなど、イデオロギー的な政策を主張します。選挙前の政権運営では強行採決など、国民からの目線が強まっていたことも合間って、安倍自民党の敗戦要因として考えられています。

さて、ねじれ国会とは何かを解説していきます。ねじれ国会とは、衆議院において多数を占める与党が、参議院では少数となっている状態のことです。

参議院では、野党が議事運営権を掌握しているのです。ねじれ国会では、与党は参議院での野党への配慮が不可欠となり、国会運営が極めて難しくなるのです。

衆議院は参議院に対して優越しているとよく言われます。しかし、その実態はそこまで優越しているとは言われていません。

衆議院の優越が唱えられるのは首相の指名、予算の議決、条約の締結に関して、衆議院が優越を持っているからだとされます。

しかし、政権はこれらを行うだけでは政権運営をすることはできません。そのため、首相指名や予算議決、条約締結の面で優越しているといっても、政権の運営に決定的なメリットをもたらすわけではないのです。

法律の制定に関しても衆議院の3分の2以上の議席があれば、再可決することができますが、かつて単独で3分の2以上の議席を持った政党はなく、実質的にあまり意味のない規定になっています。

条約締結に関しては確かに衆議院が優越します。しかし、条約発効には条約関連法を制定する必要があり、そのためには参議院の重要性が上がるので、衆議院の優越をいうことはできないと言えます。

国会同意人事に関しても、確かに衆議院の優越はあります。両議院の意見は基本的に一致していることが慣例的です。そのため、実質的には参議院の優越をいうことはできません。

ねじれ国会において、歴代の内閣はどのような対応を取ってきたのでしょうか。衆議院の再可決によって、法案を成立させてきた先例はあります。しかし、この衆議院の再可決を連発すると、「数の横暴である」との非難を受け、世論からの反発が激しくなるので、なかなか再可決ばかりというのは難しいのが現状です。

野党との連携という手段もあります。連携と言っても、その実態は「抱き込み」です。分裂していた野党の中から連携できそうな政党を見出していたのです。

ねじれに対応するための対策として、野党の意向を忖度した立法を行うことも往々にしてあります。与党が野党と調整することで、法案の成立させようとしたのです。ねじれ国会での法案は通過率は結構高かったりするのは皮肉と言えましょうか。