【後編】韓国人は日本人を許してくれるのか?

【後編】韓国人は日本人を許してくれるのか?

この記事のアプローチ

前編もご覧ください

前編では韓国の中で反日がアイデンティティとして通底しているからこそ、日本の謝罪を受け入れられない。なぜならば、反日を国是とする韓国にとって日本を許すことは自己否定に陥るからだという構造をお示ししました。

この記事ではその構造的な問題が2019年時点ではどのような意味合いを持っているのかについて述べたいと思います。

日本の謝罪と奇妙な上下関係

日本は戦後、幾度と韓国に対して謝罪をしてきました。日本政府が保守か進歩かを問わず、韓国に対して向き合ってきました。過去の「植民地支配」で自らが行なった所業を何度も反省し、少なくないお金を韓国に渡してきました。

韓国はそのことを十分理解しています。日本によって韓国が経済成長できたことも十分に理解しています。

しかし、韓国は最後のところで日本が韓国の求める「日本」になってしまうことを拒みます。その理由は前回説明した通りです。

つまり、日本と韓国の関係は厳格なまでに韓国が上で日本が下なのです。経済規模などでは日本が上のように見えますが、精神的には日本が不利な立場にいます。

謝罪をするからには許してもらわないと次の関係に進めません。しかし、韓国は日本を許せない。日韓関係は2歩進んでは3歩下がるを繰り返してきた理由はここにあります。

日本が謝り、韓国が許すかどうかを判断する関係は韓国が上で日本が下という上下関係を無意識に作り出してしまっています。

主権国家同士、その関係は対等であるはずです。水平的な関係であるべきです。しかし、過去の歴史と韓国のアイデンティティに鑑みると、この構造的な上下関係をフラットにすることは容易ではありません。

しかも、もともと韓国は精神面では日本より上にいるうえに、経済面でも日本と対等な関係を築き始めました。韓国が経済的に日本に追いつきつつあるからです。

自身の経済力がつくにつれて韓国の中で日本の重要度は下がっていきます。かつては反日感情を国家統合のアイデンティティに使っていたように、韓国は日本にとって特別な国でした。

しかし、今や日本にとって韓国は特別な国ではなくなりました。これを韓国が「脱日」していると言ったりします。(参考図書:「脱日」する韓国

このことは韓国が上で日本が下という上下構造が保存されたまま、韓国の中で日本の存在感が低下することになります。これでは水平的で未来志向の2国間関係など望みようもありません。

韓国と日本の上下関係は80年前から逆転しました。支配する日本と支配される韓国という構図は今や正反対なものになったのです。

韓国人が許す時は来るのか?

本来ならば水平的な両国関係を構築するべくあらゆる知性を導入すべきです。しかし、両国の世論は強硬です。左派も右派も自分たちの意見に固執して、自分のフィールドから出てこようとしません。これは知的怠慢です。両国の関係を理想的なものにしようとする骨太な枠組みが出てきているとは言い難い。

それは仕方のないことなのかもしれません。構造的な問題であるがゆえに解決には時間と根気が必要だからです。そもそも日韓関係はその時々の政治家の思想信条だけで解決できる問題ではありません。

韓国人が日本人を許せるとき、韓国は現在の韓国とは別の「国」になっていることでしょう。その別の韓国を日本もまた受け入れられる時、東アジア世界に新たな地平線が広がっているのかもしれません。

おわり。