国家ブランディングの基礎から日韓関係に及ぼす影響までサクッと解説
- 2019.01.17
- 朝鮮半島

「国家ブランディング」の基礎
国家ブランディングやイメージを高めることで、国家間関係にはどのような効果があるのでしょうか。
まずは国家ブランディングとは?に関して確認していきます。
国家ブランディングってなんだ?
「外交や輸出など色々な側面についての国際的な国の評判を高めることを目指した、国家イメージの管理プロセス」のことを言います。
最終的な目標としては「観光・貿易・海外投資などで競争力のある国家イメージを確立する」ことです。
自国のイメージに明確な目標を設定し、それを達成するようにさまざまな施策を行なっていくことを指すのです。
韓国の「国家ブランディング」は失敗続き?
様々な国家ブランディング調査がある中で、韓国はブランドイメージは下位に低迷しています。「国家ブランド委員会」を立ち上げて、事業を加速させようとしてもうまくいかないままです。
ITやインターネット関連によって韓国のイメージは作られることが多いですが、政治的な不安定さや南北分断といったマイナスイメージが大きく働き、ブランド化はうまくいっていません。
国家イメージの形成と日本の対韓イメージ
国家のイメージはどのように決まる?
国家のイメージは6つの次元、5つの因子によって決まると言われています。
国家のイメージを構成する6つの次元
- 「感じの良さ」
- 「悪意」
- 「俗物性」
- 「勤勉」
- 「追従性」
- 「消極性」
上の6つの次元に影響を及ぼす5つの因子がこちら
- 「政府の競争力」
- 「人々や事件」
- 「自然の特徴」
- 「ポピュラー文化」
- 「芸術・歴史」
(Song & Sung 2013)
国家のイメージを作る上での情報源としてはインターネットが主で、メディアが国家イメージ形成に大きな影響を持つとの研究も出ています。(Song & Sung 2013)
不安定な日本の対韓イメージ
韓国への国家イメージが安定しないのは外交的な摩擦にも大きな影響があります。しかし、否定的な報道が増えても長期的には大きなイメージの変化が起こらないことがわかっています。
根本的には日本人のナショナリズム意識が中国や韓国に対する好感度にマイナスの影響を与えているのです。
韓国の「糾弾ジャーナリズム」と国家イメージ
韓国には「糾弾ジャーナリズム」と呼ばれる報道傾向があると言われています。韓国社会は道徳志向的な部分があり、実証的であることが見過ごされる傾向にあるのです。
この道徳的志向的な側面が対日報道を加熱させる要因となっていると考えられています。もちろん冷静な対日報道も少なくありません。
「糾弾」ありきの記事には、一部の言い回しを誇張し、ナショナリズムを煽るような報道をあえてすることに特徴があります。結果的に読み手に否定的な意見をもたらすような紋切り的な報道なのです。
このような報道が行われることによって、韓国人の日本への国家イメージが不当に悪化している可能性があります。
まとめ
データとファクトで2国間の関係を判断するべきです。政治家や政府関係者は国家ブランディングの視点を持ち、データを用いて隣国との関係を丁寧に作っていく必要があります。
特に隣国の「雑音」はお互いにブランディングに不利です。相手国にも多様性があることを認識し、一面的なメディア報道やネット情報に左右されないことが大切です。
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