出版業界の歴史について解説

出版業界の歴史について解説

この記事では日本の出版業界がどのような歴史をたどり、現在に至っているのかの解説をしていきます。何気なく見る本もその裏には出版社の存在があります。出版社について知ることで、本の存在をより短に感じることができるかもしれません。

企業規模に比較して大きい社会的機能

戦後の出版業界は岩波書店に代表されるように規模に比して、その社会的機能は大きいものでした。

出版業界の産業規模は全体の売り上げが1兆5000億円と小規模です。代表的な出版社・岩波書店もその会社規模は小さなものです。2000年代でも従業員200人程度、売上高200億円程度です。

しかし、出版業界は再販・委託制を生かして多種多様な出版物を全国同一価格で販売し、文化水準の向上に寄与しました。

再販制

再販制とは雑誌や書籍の低下を出版社が決定し、書店やコンビニで定価販売ができる制度のことです。出版社が書店に販売し、書店が消費者に対してもう一度販売することから名付けられた名前です。

委託制

委託制とは店頭で売れ残った雑誌や書籍を出版社に返本することで書店などが支払いをしなくて済む販売方法のことです。書店は不良在庫のリスクを取る必要がなく、出版社としても売れ筋でない書籍でも書店に置いてもらえる利点があります。

これらの制度によって、多種多様な出版物を全国同一価格で販売することが可能になり文化水準向上に寄与しました。しかし、返本率が高止まりする要因となり、出版産業全体が疲弊したことも事実です。

出版界をめぐる経営動向に応じて編集も変化

1990年以降は出版業界の中でも様々な試みが行われました。その背景には出版界をめぐる厳しい経営環境がありました。

厳しい経営環境

戦後、岩波文化と講談社文化と言われるほど二つの出版社が日本では大きな影響力を持っていました。

この二つの出版社は巨大な発行部数を誇る雑誌を中心に日本の論壇の中心となりました。特に岩波の『世界』などの非大衆的な雑誌で存在感を示しました。

1970年ごろになると、新左翼と呼ばれる人々の活動が活発化し、岩波書店が持っていた権威が徐々に通用しなくなります。

こうして岩波をはじめ、旧来の出版社は変革を求められたのです。

近年の動向

近年の出版業界では巨大部数の雑誌は減少し、ニッチ化が進行しています。雑誌の発行部数の二重構造化も明らかになり、雑誌による売れ行きの二極化が進んでいます。

出版社の売上高では出版物以外の比率が増加しており、本業は振るっていません。電子書籍の登場を出版業界の光と見る向きもありますが、その売り上げの先行きは不透明です。