台湾独立の動きとは?中台関係との関係は?詳細解説!

台湾独立の動きとは?中台関係との関係は?詳細解説!

この記事では近年の台湾独立をめぐる動きについてまとめています。台湾は「一つの中国」原則の下、国際的な孤立を強いられています。

この状況を打破する最も急進的な方法が独立です。現在でも実現はしていないものの台湾の中にある独立への運動は燻っています。中国との関係を念頭に置きつつ解説していきます。

台湾独立をめぐる動き

独立か現状維持か

台湾人が独自のアイデンティティを持つことで議題に上がるのは台湾独立です。現在、中国と台湾は「一つの中国」の原則に則り、「中国」は1つしかないと合意しています。

しかし、台湾の中にはその「一つの中国」原則から逸脱し、主権国家を作ろうとする台独派と呼ばれる人たちがいます。

台独派は正名運動(国際社会が台湾を中華民国と呼ぶことを要求するキャンペーン)などを行い、国内の独立の機運を高めました。

その中で台湾独立を掲げる民進党が勢力を持つようになりました。民進党によれば台湾にとって中華民国は外来政権。中華民国を潰し、新たな台湾独自の国家を作ることを主張しています。

しかし、世論は70%が現状維持を望んでいることが世論調査から浮き彫りになりました。台湾人の多数が現時点では統一を拒否し、分断を固定化しても構わないと考えています。

一方で急進的に独立を主張する人は10%と少数。現在、独立を宣言すれば、中国が国内法を根拠に武力介入してくるのは明確です。強大な中華人民共和国との戦争を回避したい台湾人の姿勢が伺えます。

天然独世代に見る大陸中国への反発

台湾の若者層を天然独世代と表現することがあります。台湾が中国から独立した存在であることを当然視している世代のことです。

天然独世代は幼少期を民主化後の李登輝政権の中で過ごしました。李登輝によって提唱された「新台湾人」の概念に代表される「本土化」教育の影響を受けた結果、大陸中国への反発が大きな世代です。

この天然独世代が主導して大陸中国に反発した事例が2014年3月から4月にかけて発生したヒマワリ学生運動です。

このヒマワリ学生運動は台湾の中国とのサービス貿易協定問題が発端でした。この協定が発行されれば台湾の中小企業は大陸中国の企業の進出によって駆逐されるとの危機感が高まっていました。

天然独世代は台湾の自律性と民主主義を守るために蜂起し、立法院議場を占拠して抗議します。この運動は市民の広範な支持を得て最終的に法案の破棄を勝ち取りました。

中国への依存を警戒する蔡英文総統が再選されたのも天然独世代からの支持が強いからと考えられています。この天然独世代が今後どのような姿勢を見せるかによって台湾の対中姿勢や独立への姿勢は変わってくるものと見られます。

蔡英文の方針:中華民国体制の堅持

最後に2020年総統選に勝利した蔡英文が独立に対してどのような姿勢をとっているのかを確認しましょう。

2016年の総統就任演説で蔡英文は中華民国の現行憲政体制が政治的基盤であることを明言しました。総統職位・職権の源泉は中華民国憲法であり、総統の職務は中華民国の主権と領土を守ることであると。

中国に対して強硬的な姿勢を貫く蔡英文ですが、やはり現行憲法の枠組みを否定して独立を叫ぶまでには至っていません。中華民国のルーツ・青天白日旗と中華民国も肯定しています。

このように現在の台湾では自らが中華民国であるとの認識が広く行き渡っています。国は中華民国だが「中国」ではない。台湾のアイデンティティは大陸中国との関係で規定されている部分が大きいのです。

まとめ:結局、現状維持

もし台湾が独立し新たな国家を建設しようとすれば、現在の中華民国の憲政体制は否定される必要があります。独立派にとって中華民国は外来政権であり征服者であるからです。

しかし、蔡英文は上で確認したように中華民国の憲政体制を否定しているわけではありません。

現実問題、新国家を建設しても今の国際秩序の中に生存空間は生まれないでしょう。しかも新国家は大陸中国の国内法・反国家分裂法の対象となり、武力介入のリスクが高まります。

日米をはじめとする台湾友好諸国にとっても台湾独立は混乱を避けるためにも回避したい事項であり、全力で止めに来るはずです。

現実的な独立の方策として考えられるのは主権国家・中華民国を継承しつつ、新しい国家を作るというもの。継承した国家を台湾に存する台湾人の国家へと変貌させることで「一つの中国」の枠組みを正面から否定せずに新しい国家が作れるとのロジックです。こうなれば中国との妥協の余地は可能性はあるかもしれません。

いずれにせよ台湾独立は現在の世論の調子や実現した際の台湾へのリスクを考えればなかなか実現する可能性が低い事項であると考えられるのです。