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南北の鉄道事業は国際社会を置き去りにしていはいけない

南北の鉄道事業は国際社会を置き去りにしていはいけない

南北鉄道事業の概要

韓国と北朝鮮は両国の鉄道連結のための共同調査を11月30日に開始した。調査は18日間の日程で、南北の調査員が共同で線路状態を確認する。調査は12月5日まで京義線の約400kmで実施後、平壌を経由して東海線に移動、約800kmを調査する。途中移動を含め、総移動距離は約2600kmに達し、北朝鮮の主要路線の大半を走破する予定。共同調査は当初8月に予定されていたが、在韓国連司令部が許可せず延期されていた。列車用の燃料を、軍事境界線を越えて北朝鮮国内に持ち込むことを認めなかったのだ。しかし、最近になり国連安保理が制裁の例外として燃料の持ち込みを許可。今回の共同調査実施に至った。南北は鉄道連結の着工式の年内実施を目指しているが制裁との関係上、セレモニーに止まる見通しだ。

南北鉄道事業と私

私が本記事に興味を持った理由は、今回の共同調査の式典会場になった「都羅山」駅を今年9月にツアーで訪れていたからだ。ツアーで訪れた時は「固定化の象徴」として紹介されていた。それから約3ヶ月後。「都羅山」駅は「融和の象徴」になった。自分の訪れた場所が歴史的な南北共同調査の舞台になったことは僥倖だとひしひしと感じる。自分の「旅」が「歴史」と交わった奇跡的な瞬間を捉えた記事であった。

南北は列車に乗り、どこへ行くのか

今回の南北鉄道事業は、「民族の南北融和」に息を吹き込む具体的な第一歩であると言えると思う。韓国政府はこの南北鉄道連結が南北融和に貢献することを大きく期待している。韓国の文大統領は「東アジア鉄道共同体」を掲げ、朝鮮半島だけではなく、東アジア全体で鉄道による多国間協力を進める方針も掲げている。しかし、鉄道事業を通じた韓国の北朝鮮への一方的な「すり寄り」は国際社会全体では「拙速」との評価を受ける可能性がある。鉄道事業の狙いは南北の人々の相互往来を南北融和の象徴にすることにあると思う。しかし、象徴的な意味合いに止まることはないとも思う。人々の往来に始まり、次第に経済や技術の移動にも使われることになるだろう。それは結果的には経済的に北朝鮮に利することになる。これは避けるべき事態だ。国連も釘をさしている。国連安保理は今回の北朝鮮への制裁免除措置が「鉄道共同調査」に限られたものであると強調している。北朝鮮が南北融和に紛れ、非核化を棚上げするのを恐れているのだ。韓国は将来的な南北統一への歩みを進めるべきだ。しかし、それは国際社会との協調なくしてはありえない。北朝鮮は「統一対象」ではなく「制裁対象」だからだ。今回の鉄道事業が北朝鮮の非核化、将来的な南北統一の「起点」になるのかどうかを見極める必要がある。

参考URL→「ソウル⇔新義州」韓国から10年ぶりに列車走らせ、共同調査を開始…北の主要路線2600キロを走破へ