放送規制=内容規制+構造規制について解説

放送規制=内容規制+構造規制について解説

この記事では放送規制について解説しています。日本の放送には二つの規制がかかっています。内容規制と構造規制です。この2つに注目することによって日本の放送業界が規制を受けながらどのように活動しているのかがわかります。順番に解説していきましょう。

放送メディアへの規制の特徴

放送メディアの規制には他のメディアにはない特徴があります。それは二つの規制=内容規制と構造規制がかかっている点です。

内容規制では番組がどのようなコンテンツを放送してよいのかについての規制が行われます。放送番組に対する批判に対応する形で制度改正が行われてきました。

構造規制はメディアへの参入規制や資本規制などを扱っており、放送をめぐる経営環境の悪化に合わせて近年、規制緩和が続いています。

これらの規制の目的は

  • 放送が国民に最大限、普及されること
  • 放送による表現の自由を確保すること
  • 放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること

の3つとされています。

構造規制の効果

構造規制は放送事業者の資本・経営面に働きかける規制です。参入規制の存在によって、放送事業者は設定された放送エリアを超えて業務を行うことができません。(マス・メディア集中排除原則)

そのため放送事業者の地域性は一定程度、確保されてきました。資本規制も規制の数値そのものは概ね、遵守されてきました。

その一方で、規制によって放送事業者の「多元性・多様性・地域性」の確保が十分でないことが明らかになっています。

と言うのも、「多元性・多様性・地域性」の基準が明確でなく、資本構成が規制の枠内に収まっていたとしても、他の要因によって「多元性・多様性・地域性」が低下しています。

というのも、近年では経営状況が悪化したことによって規制が緩和、大手による地方メディアの系列化が進んでいるからです。

内容規制の効果

内容規制の運用はきわめて抑制的になされ、これまで放送番組に関して行政処分(免許停止・取消処分)がなされたことはありません。

その代わりに行われてきたのが強制力を持たない行政指導でした。

1980年代後半以降、規制当局は番組内容に対する影響力行使の手段としてより緩やかな手段である行政指導を用いるようになってきました。その中でも行政指導の明確な基準は示されていません。

放送番組に関しては、従来からさまざまな問題が発生していますが、同様の事例のすべてについて行政指導がなされてきたことからも明確な基準がないことは明らかです。

行政指導は時期によって行われる頻度に揺らぎがあり、内容規制を担保するための恒常的な手段として用いられてきていないのです。

内容規制が戦後、一貫して強い効果を発揮してきたとは言えず、それが戦後日本における放送規制の「緩やかさ」という見方につながってきた面もあります。