アメリカの選挙事情や選挙の仕組みについて詳しく解説!

アメリカの選挙事情や選挙の仕組みについて詳しく解説!

この記事ではアメリカの政治制度について詳しく解説しています。アメリカの選挙といえば、アメリカのみならず全世界から注目される大統領選挙に目が行きがちです。

しかし、大統領選以外にも多くの選挙がアメリカの中で行われており、その仕組みは複雑です。この記事を読むことで、複雑な選挙システムも理解できるようになりますので一緒に勉強していきましょう。

選挙制度

連邦レベルの選挙制度

連邦(全国)レベルの選挙制度は連邦議会選挙と大統領選挙があります。連邦議会選挙は下院選挙と上院選挙に分かれます。

下院は定数が435で2年ごとに改選されます。上院は定員が100で任期は6年です。2年ごとに定数の3分の1が改選されます。

今日の議員は再選し続けたい人が増えています。そのため、次の選挙を見据えて政府の中で行動するので、いかに彼らが議会の中で行動するのかは選挙を見ることで予測ができます。

連邦レヴェルの選挙制度と予備選挙について平日日中のため投票率が低くなっています。州レヴェルではそれぞれで決められているが、簡素化の観点から連邦レヴェル選挙と一緒にやることが多くなっています。

下院は各州に議員数が少なくとも一人は割り当てされるようになっています。

大統領選挙は4年ごとに行われます。アメリカ50州(535人)とワシントンD.C(3人)の選挙人を獲得するべく争います。過半数の270人をいかに獲得するかが焦点です。メイン州とネブラスカ州以外の州では勝者が選挙人を総取りするシステムになっています。

大統領選挙:任期4年の2期まで重複が可能になっています。一般人は大統領選挙を選ぶために投票するはずですが、実際にはその意識はほとんどありません。実際には実際の候補者をどちらにするのかについて検討する意識が強いです。

大統領人は基本的に付託された候補者に投票することが求められます。50州以外にもプエルトリコやハワイからはオブザーバーとして連邦政府に人を送り込んでいます。

大統領選挙人の配分に関しては各州によって規定が決められるのに、実際には基本的に勝者総取りの形を取っています。

配勝者総取りにすることでその州が大統領選挙に及ぼせる影響力を確保することができると考えられているからです。

予備選挙制度(州法で規定)

制度の特徴

予備選挙は各党の候補者を決める公式の選挙のことを言います。その党に登録した有権者が投票するclosed選挙や全有権者に投票権があるopenの選挙などがあります。

大統領選挙の予備選挙ではその州から全国党大会に出席する党代議員が投票する候補を決定します。

大統領選挙の予備選挙では、全国党大会で誰を候補者にするのかを決めるために投票する代議員を州ごとに決めています。

予備選挙の場合に代議員をどうやって決めるのかは州によってバラバラで近年の傾向では勝者総取りの方が多くなっています。

予備選挙に投票できるのは共和党なら共和党に投票すると登録した人だけです。

予備選挙以外で党大会に送る代議員を決める州があります。それがアイオワ州です。コーカスというシステムで決めています。議員総会のこともコーカスといいます。

予備選挙で勝利するとそのまま大統領選挙を戦うことになるため、大統領選で候補者は政党ではなく、候補者中心の選挙を戦うことになります。

大統領選挙予備選の投票率はめちゃくちゃ低くなっています。しかも、政治参加の高い人ほど政治思想もより極端になる傾向にあり、予備選の重要性が高まるにつれて、候補者も政治参加意識の高い、過激化した有権者に対してアピールする必要があります。投票率や投票数だけではなくて、政治思想的も選挙結果の投票アクターになっているのです。

制度の効果

これらの制度によって候補者中心の選挙になっています。候補者は独自に組織を作り、資金集めに奔走します。

予備選挙では候補者の態度表明が焦点になります。本選挙とは有権者に違いがあるため、予備選と本選挙での態度表明の間に乖離がないようにバランスが求められます。

選挙戦の戦い方

選挙戦の手段には空中戦と地上戦があります。

空中戦はマスメディアを使う選挙戦です。広告費がめちゃかかります。番組に応じて視聴者を把握して、番組ごとに広告を打ちます。お金さえ払えば空中戦を戦うことができますが、その訴求効果は薄いと言われ、コスパは悪いです。

地上戦とは選挙区ごとに緻密にターゲットを絞って、訴える選挙戦略です。迷っている人の引き込みと支持者の確実な動員を目指します。

アピールのスタイルにはネガティヴ・キャンペーンを活用したり、支援組織による争点広告を打ったりする特徴があります。

ネガティブキャンペーンはかつては激しかったですが、バカって言う奴がバカだみたいな子どものけんかみたいになってしまうので事務所ではなく、候補者を支援する別組織がネガティブキャンペーンをする形態になっています。

選挙資金

とにかく選挙にはお金がかかります。広告費、宣伝費、調査費などなど。かつての金権政治から1970年代には転換され、献金額規制と献金の流れが透明化が目指されました。献金自体は表現の自由なので守られるべき存在であると認識されています。

連邦選挙運動法(FECA)による規制

FECAによって献金額の制限と公開、企業・団体直接献金の禁止、政治活動委員会の活用が促されました。

大統領選挙については二大政党に対して、予備選党大会、本選挙への国庫補助が行われたこともあります。

ハードマネーは規制にしっかり管理されているお金で、ソフトマネーは規制の外側にあるお金のことを言います。

候補者は自分のお金や借り入れをして、選挙を戦います。献金なしには選挙戦を戦うことはできません。献金には金額の制限と献金情報の公開が求められています。

選挙資金で大切なのは大金持ちを一人獲得してくるのではなくて、上限の2700万円を払ってくれる人をたくさん集めることです。献金してくれる人をかき集める人のことをbundlerと言います。

候補者組織以外による選挙戦と「ソフトマネー」

FECA規制の「抜け穴」が除去に問題になりました。政党組織の資金獲得と事実上の選挙戦、企業や団体などが候補者組織とは罰に事実上の選挙戦を展開し始めたからです。

これらFECAの制限にかからない「ソフトマネー」(党組織、投票促進運動)の規制が問題になっています。

超党派選挙戦改革法(BCRA)で政党組織のソフトマネー活用や選挙直前・法人による争点広告の禁止が定められました。

しかし、2010年には選挙直前・法人による争点広告の禁止が違憲だと判断されました。

ハードマネーへの規制が強まる中でSuper PACが登場します。Super PACはFECの規制の代わりに、無制限の集金・支出に加え、候補者の支持・不支持を鮮明に打ち出します。

候補者に献金するのではなく、候補者の政党の組織に献金する場合などがソフトマネーに当たります。

候補者に直接関係ないけど、候補者の政策に関連する争点広告は特段問題ないと考えるのが、アメリカの司法判断です。これによってソフトマネーの事実上、空中戦の無法地帯化が進みました。

しかし、金があれば選挙に勝てるわけではありません。お金がなければ選挙に勝てないのは確かですが、資金があれば勝てるものでもありません。多ければ問題ないわけではありません。

現代の選挙の全般的特徴

ここでは現代の選挙の特徴を3つあげます。

地域性

共和党は西部の内陸部に南部を加えた地域に支持者が多く、民主党は東西両岸の都市部で優勢です。

共和党はL字型からどれくらい取ることができるのかが重要で、民主党は都市部で優勢です。拮抗する州でどっちが取れるかが選挙の勝負の分かれ目になっています。

分割政府

選挙制度や選挙による分割投票などの影響で大統領の所属政党と議会の多数派が異なる分割政府状態になるケースが多くなっています。

2016年は大統領と下院議員の選挙で結果の異なる「分割選挙区」が35選挙区存在しました。

二大政党の拮抗

二大政党の支持率が(民主党優位ながら)かつてより拮抗し、無党派層が多くなっています。しかも候補者は基礎票をベースに最小勝利連合で勝利を目指すため、圧倒的な多数党は生まれにくい状況にあると言えるでしょう。

大勝利を目指そうとする人がいないというか目指しても無理なので、みんながギリギリで勝とうとします。そのため、選挙結果がどうなるかわかりません。