「北朝鮮=コンギョ」はもういい加減やめようよ

「北朝鮮=コンギョ」はもういい加減やめようよ

日本のネットの世界では北朝鮮は おもちゃのように扱われています。

現在、金正恩氏の体調が思わしくないのではないかとの報道がなされています。しかし北朝鮮当局の反応を待たずしてネット上では金正恩が死亡したとの未確認情報がとび回っています。

誰も真相を知る人はいません。それでも嘘か真かわからない情報が日本では流れ続けています。それもそのはず。日本において北朝鮮はイジって楽しむ文化があるからです。

日本のネット上に北朝鮮をいじって楽しむ文化があるのは誰の目にも明らかです。北朝鮮を「消費して」楽しむような文化があります。YouTube上には北朝鮮関連のネタ動画が数え切れないくらいあります。北朝鮮のことは全然知らないけど「コンギョ」は聞いたことがあるという人は周りにもたくさんいます。

北朝鮮と日本の間には国交がありません。日常的に北朝鮮の人と触れ合うこともないはずです。だから日本のネット上では安心して北朝鮮をネタ国家扱いすることができます。

僕はそのような扱いを受けてしまう北朝鮮に同情しません。ネタ国家として扱われるのもこれまでの北朝鮮の行動に原因があると思うからです。

閉鎖的でありながら目立つ行動をする北朝鮮は格好のイジりの対象です。クラスに普段は全然喋らないのに時折奇声をあげる子がいたらどうでしょうか。きっと大部分の生徒は彼から距離をとり、内輪で様々なうわさ話をするでしょう。日本と北朝鮮の関係はまさしくこんな感じです。

僕は北朝鮮をイジるネット文化を否定することはありません。むしろ面白いとさえ思います。これまでも北朝鮮イジリ動画でたくさん楽しませてもらいました。しかし、だからと言って「北朝鮮=コンギョ」でよいのかはまた別問題です。

大きな問題なのは北朝鮮をイジる=消費する人の意識には北朝鮮への侮蔑観が内在していることです。先述したようにこの侮蔑観が北朝鮮のこれまでの行動に起因することは事実です。

しかし、日本と北朝鮮の間にある様々な問題を解決する際にそのようなネットの風潮が世論を変な方向へ誘導しないかとても不安に思っています。

日本と北朝鮮の間には数々の大きな問題があります。核・ミサイル問題や拉致問題、日本支配時代の賠償問題などどれも解決するには途方もない時間がかかる問題ばかりです。

しかし、北朝鮮をネット上でイジる人の意識にこのような難問はありません。見事に捨象されてしまいます。だからこそ「北朝鮮=コンギョ」のままで停滞する人があまりに多いのでしょう。

この構造は日本が北朝鮮と敵対し続ける前提で成り立っています。しかし、日常的に北朝鮮とリアルに触れる時代が来たら「北朝鮮=コンギョ」の構図は成り立たなくなるでしょう。

その時、もう北朝鮮を遅れた国だと蔑み、優越感に浸ることはできなくなります。目の前に北朝鮮の人がいて、その人の前でコンギョでふざけることができるでしょうか。僕にその勇気はありません。

「北朝鮮=コンギョ」のイメージは前時代的なものとして置いていくべきです。その様なイメージが今後の日朝関係を構築して行く上で大きな障害になるのではないかとさえ思っています。

よくも悪くも北朝鮮は日本にとって特別な国です。しかし、我々はその特別な国をまったく理解していません。私は北朝鮮政治を専攻するものとして少しでも北朝鮮について知ろうとする人のお手伝いができればと思っています。