金正恩重病説をどのように受け止めるべきか?

金正恩重病説をどのように受け止めるべきか?

驚きのニュースが入ってきた。米・CNNは北朝鮮・金正恩朝鮮労働党国務委員長が近日に手術を受け、重篤な状態との報道を行ったのだ。

独裁国家である北朝鮮にとって金正恩の健康問題はまさに国政運営上の死活問題。金正恩がいきなり倒れてしまえば国政運営が行き詰まり、北朝鮮の現体制そのものが崩壊しかねないからである。

ニュースは瞬く間に拡散され、一時は「金正恩脳死報道」まで出るなど一時情報は錯綜。※この脳死報道は報道後すぐに元記事が削除された。

結果的に4月21日午後に韓国政府が「金正恩委員長は地方で側近幹部と現地指導を行っている」と報道し、金正恩重篤説を否定。やや落ち着きを見せた。

本記事執筆時点(4月22日午後5時)時点では北朝鮮公式報道では金正恩重篤説について言及することはしていない。真相は闇のままだ。

しかし、ネット上では金正恩があたかも死んだかのような取り扱い方をされてしまっている。金正恩の死=北朝鮮の崩壊だ!と短絡的なデマを流す人も散見された。誠に残念な取り扱い方をされている金正恩だがまあ仕方ない。

現時点では金正恩が実際にどのような体調なのかを断定することはできない。体調が悪いのかもしれないしよいのかもしれない。何もわからないのである。なぜなら北朝鮮は世界の国々の中で例外的に内部情報の秘匿に成功しているからである。先代の金正日が死亡した時でさえ、北朝鮮は2日間ほど金正日が死亡したことを隠し切っていた。北朝鮮は最高指導者がいなくても行政のシステムとしては回るようになっているのだ。

北朝鮮に関する情報はあまりに少ない。いくらアメリカや韓国がインテリジェンス網を作っても北朝鮮に関する報道は真偽半々といったところだろう。金正恩の祖父にあたる金日成、父親にあたる金正日が存命の時にも死亡説や重病説は何度も何度も報道された。そのすべてが当たっていなかったわけではないが飛ばし記事が多かったのも確かだ。特に韓国メディアに関しては

実際、私がお世話になっている先生も今回のニュースに関しても「韓国メディアによる報道だったら聞き流していただろう」とおっしゃっていた。(裏を返せば今回はCNNの報道であったためアメリカ政府がある程度の確信を持って報道させたのではないかとの観測もあり注目された)

和牛券の記事でも指摘したように政治の世界では「観測気球」というものがよく飛ばされる。今回の金正恩健康不安説に関しても「観測気球」と捉える見方はあるだろう。

北朝鮮当局はもちろんどのような報道が世界でなされているのかについて知っている。今回の重篤報道についても何らかのメッセージを出さざるを得ないだろう。次に金正恩がどのような姿でメディアに登場するのかを注視しないといけない。まだ金正恩は死んだと確定したわけではない。しかし生きているとも限らない。北朝鮮をめぐる言説はとにかく不確定要素が強い。そのことをしっかりと頭に入れて冷静に情報を受け止めていこう。